わたしは京都生まれで、両親が下宿やゲストハウスをやっていました。
そこは海外の方が入れ代わり立ち代わり訪れる環境で、両親は外国人のお客さんも非常に好きでした。
普通の日本家屋だったのですが、その住宅が来る人によってまったく違う様子になってしまうのです。
たとえ1年しか住んでいなくても、ものすごく素敵なお家にして以前よりもきれいにして帰ってしまう。
そういう経験から、ひとの暮らしぶりというものに興味をもつようになりました。
そして、小さい頃から日本画を習っていて「綺麗なものが好き」ということを
活かせるような場所を探して、イタリア家具メーカーのアルフレックスに入ります。
そこでインテリアのことを学び、やがて独立して
インテリアのコーディネートを手がけるようになっていきます。
そこから声をかけてもらう機会が増え、インテリア以外のデザインやプロデュースもするように。
そこでのたくさんのひとたちとの交流や体験から、
自分が見つけたクリエイターの作品を扱ってみようという想いを経て
タピエスタイルは大阪でスタートします。
そこは実験的空間で、ひとが交流しあえる場になっていきました。
感性を満足させてくれるモノコトに囲まれた空間で生活する日々がひとに
幸福感をもたらしてくれるとわたしは信じます。
その感性をみがくためにも日々美しいものに触れ、それを習慣として継続する。
そのささやかな幸福感の積み重ねこそが大事です。
クリエイターは作品を通じてわたしたちにその美しさやファンタジーだけではなく、
新鮮な発見と驚きをも与えてくれます。
ひとは環境の大切な要素です。
いきいきとしたあなたがまわりのひとたちをもしあわせに。
「暮らし美しく いつまでも」
玉井 恵里子 プロフィール
京都生まれ。インテリアデザイナー。株式会社タピエ代表。
アルフレックスジャパンより独立し東京、大阪に「タピエ」設立。個人邸・ゲストハウス・寺社建築などデザインコンシャスなライフスタイルを提案している。京都の伝統工芸職人とのコラボレーションプロダクトをミラノサローネで発表。京都工芸繊維大学博士課程在籍 カーテンの房飾り『パセメンテール』研究。
Best Design Osaka インテリアコーディネート部門賞受賞。代表作 大宮東光寺涅槃堂(2011年竣工)。