2019年9月1日(日)〜9月16日(月/祝)
九州発、大人の女性のためのナチュラルウェアブランド「pot-pourri」を期間限定でご紹介いたします。
“pot-pourri” 2019秋物販売会
- EVENT
リネンやラミー、コットンなど天然素材の生地を使い、着心地を大切にした
大人の女性のためのナチュラルウェアブランド「pot-pourri」を期間限定でご紹介いたします。
着る人それぞれの個性にあったコーディネートをおたのしみいただける、
ニュートラルなデザインが魅力です。
会期:2019年9月1日(日)〜9月16日(月/祝)
時間:10:30~20:30
場所:タピエスタイル京都LAQUE四条烏丸店(ショップ詳細)
9月1日〜9月12日は京都店と同フロアの
店舗より15mほど奥のイベントスペースにも展開。
9月6日〜9月16日はイベントスペースに加え、
京都店入り口でも展開いたします。
この度、pot-pourriを展開する株式会社ポプリ企画さんに取材に伺い、
デザイナーの方々よりお話を伺うことができました。あわせてお楽しみください。
「今、お洋服はファストファッションを買う人とそうでない人との二極化が進んでいます。」
ポプリ企画はお洋服が本当に好きな人のために国内でモノづくりを続けているアトリエです。
33年前の1986年創業当時はエプロンの制作からスタートし、現在の服作りに発展しました。
社長である父はテキスタイルに詳しく全国の機屋さんを長年見て回ってきました。
私たちが使う生地の主な産地は浜松、新潟、西脇、一宮などです。
それぞれ大阪と東京で働いていた私たち兄弟が福岡に戻り、企画に携わっています。
私たちを含む4人のデザイナーとパタンナー2人、営業1人と
グラフィックデザイナー1人の8人構成になります。
パターンや縫製に拘る私たちにとってベテランのパタンナーさんは欠かせない存在です。
弊社ではパターンは手引きでCADでは表現できない「手仕事」の繊細さとしなやかさを大事にしています。
卸先は全国で展開。縫製は全て国内の工場さんにお願いしています。
シーズン毎に新しいデザインを展開しており、布帛だけで毎シーズン40〜50型展開しています。
小ロット生産で大量生産をしない「丁寧なモノづくり」を長年続けてきました。
九州の博多からほど近い地にアトリエを構え、
「用の美を感じる衣…日常にこそ生きるお洋服…」をモットーに日々制作しています。
私たちの考えるお洋服のテーマは「3世代が着れるお洋服」
娘、母、祖母と共有できるような
家族で楽しく着回しできる、そんなエージレスなお洋服です。
縫製やパターンの一手間の違いで仕上がりの美しさはもちろんですが、
それ以上の「着る人に寄り添うお洋服」が出来ると私たちは考えています。
着る人が「何か気分が良くなる」「何か分からないけど自分に馴染む」そう感じて頂けると嬉しく思います。
「今、お洋服は、ファストファッション買う人とそうでない人との二極化が進んでいます。」
それが具体的にどういうことかとお話しすると、
服を作るにはまず生地が必要なんですが、
実は日本国内で生地を生産している工場(機屋 はたや)さんは
今、価格の安い輸入品に押されているのが現状です。
技術があっても国内で作るとなると原料も高騰しているため
どうしてもコストパフォーマンスの部分で輸入品に負けてしまいます。
また、生地だけでなく縫製も工賃の安い海外に移っていて
国内の縫製工場さんがどんどん減り続けている現状があります。
そこにはお洋服が昔に比べて安く市場に並び、
買い手が手に取りやすくなった現実があるからです。
ファストファッションが登場して日本製の洋服を取り巻く環境は一変しました。
日本の機屋さん、縫製工場さんをこれ以上減らしたくない…
ノウハウがつまった日本のモノづくりを絶やしたくない。
本当に勿体ないと現場で感じることが沢山あるんです。
そこで素材はヨーロッパの生地以外は日本の生地を使い、
縫製も日本の工場さんで縫ってもらっています。
浜松の職人さんの手染めの生地など、
このような手間をかけて作り出される素材はやはり生地値が上がるためそれが
お洋服の価格に反映されます。
しかし出来るだけ消費者の方にはお求め安い価格帯でご提供したいため、
機元(機屋)さんと直接取引きしたりして工夫を重ねています。
自分たちのもっとも好きな生地のひとつ、
例えばこのベルギーリネンもオリジナルで機屋さんにオーダーした生地なんです。
ベルギー原産の麻糸を日本で織り上げ、それをオリジナルカラーに染めてもらっています。
染め屋さんに自分たちの表現したい色を提案しそれを忠実に再現してもらってます。
オリジナルカラーなのでロットも大きいですが、
そういうふうに自分たちでリスクを持ってでも品質の良い生地を使い、
素敵でお求め安い価格の商品をお届けしたいと思って努力を重ねています。
日本で貴重な技術のひとつに麻の「天日干し」というものがあります。
手で丁寧に生地の原料である繊維を天日干ししてくれる担い手は今では殆どいないでしょう。
「天日干し」の一手間を施すことにより私たちの望む
ふっくらとした空気を孕む生地の風合いが生まれてくるのですが
そういった手間のかかる仕事がいつまで残るかわかりません。
生地から製作する工程は作りはじめから量産できるまで3ヶ月程かかります。
ポプリ企画の求める生地はのぺっとしていなくて、
シボ感や凹凸感のある温もりを感じられる生地です。
生地の風合いは縫製する前にお日様に天日干ししたりすると
更にいい風合いに変化したりするので取り入れています。
お洋服を作り続けていると当たり前のようにあったことが
どんどん貴重な存在になっていることに気づかされます。
例えば生地を染めてくださる染工場さん。
優秀な職人さんがいて長年の勘で色を出してくださるところが
働き手も後継者もおらず、辞めざるおえない環境があります。
それは大変な仕事なのに採算が合わないことが大きな原因なのです。
縫製工場さんも同じような状況です。
デザインし生地の生産から染め、縫製まで日本国内で作ることは大変です。
もちろん私たちもできるだけお洋服が売れるように、かかる工賃も抑えたいけれども
こちらだけの事情で潰れていく工場さんを目の当たりにしていく中で
「これでいいのか」と考えさせられることが多くなりました。
今、世界的に需要が高まり海外の生地の価格も上がってきています。
天然素材のリネンとウールは特に値上がりが激しいです。
数年前よりはファストファッションを買う人も変化してきているのではないかと感じるのですが
これからお洋服の価格の概念はどうなってくのだろうかと思います。
左から中島千香子さん、井出由里さん、中島慶一さん。
中島慶一(弟)
京都の大学で歴史が好きで歴史学科で学んだのですが
卒業後は大手アパレルでショップスタッフとして働いていました。
洋服は古着やミリタリーなどが好きで、古着屋で
天然素材や昔の洋服にしか見られないディテールを観察していると時を忘れるんです。
休みの日にも息抜きするのも古着屋とかで「洋服を見る時間」というくらいです。
中島千香子(姉)
東京でグラフィックデザイナーをしていました。
趣味はアートと音楽で見たり聴いたりすることが一番好きです。
幼い頃から収集グセがありその時の時代性を感じるパッケージやマッチ箱といった
「紙のコレクション」を膨大にしています。
「ものや生まれてきたことがら」が私にとっては大事なことに思えます。
井出由里(デザイナー)
わたしも古着の洋服を見ることが好きです。
食べ歩きにも興味があり最近ですとクラフトビールとクラフトジンにはまってますね。
そこからわたしは小さい個性というか小さい作り手から生まれてくる
「うーん」と唸るような美味しい味に出会えた時とっても満足しますね。
わたしたちのアトリエがあるのは九州です。
仕事が休みの日は自然に親しめるように遠出する機会が多いと思います。
熊本県の阿蘇の自然は本当にダイナミックで雄大な魅力があります。
馬に乗ったり黒川温泉といった温泉にも恵まれています。
洋服が好きでモノ作りが好きで
ここには豊かな自然や仲間がいる生活が充実しています。
恵まれた環境の中で制作活動が実現していると思います。
九州だけでなくみんな東京とか京都の暮らしを知って来ています。
こちらの暮らしの良さは圧迫感がないところでしょうか。
私たちは「大人の宿題」と呼んでるのですが
残業しないよう毎日のスケジュールをしっかりと組み立てるように心がけています。
休みの日もデザインは宿題として街を歩きながら、料理を作りながらと常に考えていて
会社勤務時間はアウトプットの時間と捉えるようにしています。
4人のデザイナーで集まっていつもどんなお洋服が作りたいのか
アイデアやスケッチを出し合ってコレクションを決めていきます。
今年の秋冬のテーマはみんなが気になっている「グレイッシュカラー」です。
ベルギーリネンと素材に書いてあるのは糸がベルギーリネンの産地で
実は日本の機屋さんで生地に織り上げているんです。
また自然環境に配慮した人の体に害を与えない「ボタニカルダイ(草木染め)」は
植物選びから色決めまで行い、オリジナル色で染色してもらっています。
マスタード
グレイッシュ
ラベンダー
ヨーロッパのビンテージのナースの制服をモチーフにヒントを得たデザインを
オリジナルカラーで展開しているベルギーリネンに落とし込み弊社独自の雰囲気に仕上げています。
ポプリ企画では一年中リネンを使っているところが大きな特色です。
ウールリネンも使いますしメルトンという素材も好んでよく使います。
トレンドを追いかけることはしませんが、
時代の空気は自分たちなりに読み取り毎年パターンは微妙に変えてデザインしています。
シンプルだけどワンポイントデザインに工夫が施してあり
着た人にしかわからないパターンと縫製、着心地を追求しています。
服作りはパターンを一番意識しています。
細い人もふくよかな人も美しく見えるように
肩はセットインにして細く見せ、身幅やアームはゆったりと。
衿ぐりを少し広めにして着る人が窮屈に感じたりしないなど
ハンガーにかかっているのを見ただけではわからない工夫が隠れています。
暮らしやすく毎日着て頂ける。
疲れないお洋服の着心地の良さをとことん追求しています。
サイズは基本150から162センチくらいの身長の人を意識しています。
デザインによりますが小柄な人でも着て頂けるところが特徴です。
お手入れは中性洗剤で手洗いできます。
クリーニング指定がない限りご自宅でケアして頂けます。
ウールで洗濯機で洗えるものもあり出来るだけご自宅でお手入れして
いつも気持ちよく着て頂けるよう心がけています。
和紙ポリエステルという新素材があるのですが
吸湿速乾性があり型崩れしにくく今シーズン取り入れた素材のひとつです。
定番の生地を中心に新しいものを取り入れながら、
東京よりゆったりした時間の中で服作りをしています。
是非、わたしたちのモノづくりを手にとって感じてください。
聞き手 タピエ代表玉井恵里子
タピエスタイル ラクエ四条烏丸店
〒600-8009
京都市下京区四条通室町東入函谷鉾町101
LAQUE四条烏丸 2F
http://laque.jp/
Tel :090-8821-8681
Open:10:30~20:30(休日等はLAQUE四条烏丸に準ずる)
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